投稿日:2026.02.27 最終更新日:2026.02.27
システム開発を外注したら運用保守はどうする?開発会社に任せるべき3つの理由
「システムの保守を別会社に引き継いだら、対応が遅くなった」 「担当者が変わるたびに、また一から説明しなければならない」
もしかすると、あなたも同じ経験をしたことがあるかもしれません。
実は、多くの企業にとって運用保守は外注が向いています。人材確保の困難さ、24時間体制の構築コスト、担当者の退職による引き継ぎを考えると、専門会社に任せた方がトータルコストを抑えられることが多いのです。
ただし、外注なら何でも良いわけではありません。「開発と保守が分断されていないか」が、大切になってきます。
この記事では、運用と保守の基本から、内製と外注を判断する3つのポイント、失敗しないための5つのチェックポイントまで解説します。
- システム運用と保守の違い・それぞれの役割
- 運用保守を外注すべき理由と内製との比較(人材・体制・コスト)
- 外注時の5つのチェックポイント
- 開発会社への依頼が望ましい理由
- よくある質問と回答(契約期間・費用相場・外注先の変更)
まずは、運用と保守の基本から見ていきましょう。
目次
システム開発の運用保守とは?運用と保守の違いを理解する

システム開発が完了した後も、安定してシステムを使い続けるには「運用」と「保守」という2つの業務が欠かせません。
システム運用は日々の監視で安定稼働を維持する
システム運用とは、開発・導入されたシステムを日々安定して稼働させるために管理・監視する業務です。
主な作業は以下の通りです。
- システム監視: サーバーやアプリケーションが正常に動作しているかを24時間体制でチェック
- 定常オペレーション: サーバーの起動・停止、日次バッチの実行確認、バックアップ取得
- インシデント対応: 障害やエラーが発生した際の応急対応(サービス再起動、予備系への切り替え)
「現状を維持し、止めない」ことが運用の役割です。
システム保守は不具合修正と機能追加でシステムを改善する
システム保守とは、稼働中のシステムに対して修正・改善を行う業務を指します。
主な作業は以下の通りです。
- 不具合(バグ)の修正: 原因を特定してプログラムの修正や設定変更を行い復旧
- セキュリティパッチの適用: OS・ミドルウェア・アプリケーションのアップデートで既知の脆弱性に対処
- 機能追加や仕様変更: 業務ニーズの変化やユーザーからの要望に応じた新機能の開発や既存機能の改良
「システムを改善し、より良くしていく」ことが保守の役割です。
運用と保守は実務上セットで扱われることが多い
運用=「日々の安定稼働を維持する業務」、保守=「システムを修正・改善する業務」という違いがあります。
しかし、実務上は運用と保守を明確に分けずに一体で対応していることが多いです。両者の目的は共通して「開発したシステムを安定稼働させ続けること」にあり、互いがうまく回れば相乗効果を生みます。
そのため企業では「運用保守」と一括りで語られることが多く、外注する場合も「運用保守」としてまとめて契約することが一般的です。
内製か外注か?人材・体制・コストで比較する

システム運用保守は外注できます。そして、多くの企業にとって外注が向いています。
- 専門人材の採用・育成には時間とコストがかかり、市場の競争も激化している
- 24時間365日の監視体制や緊急時の対応体制を社内で構築するのは、体制整備の面でハードルが高い
- 人件費や教育コスト、担当者の退職による引き継ぎを考えると、外注の方がトータルコストを抑えられることが多い
ただし、自社の状況によっては内製が向いている場合もあります。以下の3つの質問を考えてみてください。
- 社内に専門人材はいますか?今後採用・育成できますか?
- 24時間対応や緊急時の体制が必要ですか?
- 長期的なコストと継続性をどう考えますか?
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
ポイント1:専門人材を確保・育成できるか?
2024年7月時点で東京都のIT技術職の有効求人倍率は約3.19倍(全職種平均1.58倍)、経済産業省の予測では2030年には最大79万人のIT人材が不足するとされています。
このような人材難の中、専門人材の採用と育成には継続的な投資が必要です。外注なら、専門知識を持つ人材がすぐに対応でき、最新技術も活用できます。
内製の場合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 社内にノウハウが蓄積される | IT人材市場の競争激化により採用が困難 |
| 採用・教育コストが継続的に発生 |
外注の場合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 専門知識を持つ人材に任せられる | 社内にノウハウが蓄積しにくい |
| 最新技術を活用でき、コア業務に集中できる | 外注先との情報共有が必要 |
内製は社内にノウハウを蓄積できる一方で、人材の確保と育成に継続的なコストがかかります。外注なら専門人材がすぐに対応でき、最新技術も活用できますが、社内にノウハウが残りにくいというトレードオフがあります。
- すでに社内にIT人材がいて、継続的に採用・育成できる → 内製
- IT人材の採用が難しく、コア業務に集中したい → 外注
人材の確保と合わせて、次は体制面を検討しましょう。
ポイント2:24時間監視と緊急時の体制を組めるか?
24時間365日の監視体制を社内で構築するには、複数人のシフト制が必要です。内製で24時間体制を回すには最低5名以上の人員が必要で、たとえば1人あたり時給3,000円で計算すると月額約225万円、年間で2,700万円の人件費がかかります。
外注なら、24時間体制での監視や緊急時の迅速な対応を専門家に任せられます。たとえばレブクリエイトでは、24時間365日のサーバー監視を提供しており、深夜や休日に障害が発生した場合でも即座に対応できる体制を整えています。
内製の場合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 営業時間内であれば自社リソースで対応できる | 24時間体制の構築には複数人のシフト制が必要 |
| 緊急時の対応体制(休日・夜間対応)を維持するハードルが高い |
外注の場合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 24時間365日の監視体制を整えている | 外注先のSLAを確認する必要がある |
| 緊急時に迅速に対応できる | 外部との連絡調整が必要 |
内製の場合、営業時間内は対応できても、24時間体制を組むには複数人のシフト制が必要で、試算では年間2,700万円のコストがかかります。外注なら24時間365日の監視体制がすでに整っており、緊急時も迅速に対応できるため、システム停止が事業に大きな影響を与える場合は外注が現実的です。
- システム停止が事業に大きな影響を与える → 外注
- 営業時間内の対応で十分 → 内製
最後に、長期的なコスト面を見ていきましょう。
ポイント3:隠れたコストと担当者の退職による引き継ぎをどう見るか?
内製には人件費・採用コスト・教育コスト・システム環境の維持コストなど、多くの隠れたコストが発生します。担当者の退職や異動により、再度採用・教育コストが発生することもあります。
外注であれば、これらのトータルコストを考慮すると、多くの場合でコストを抑えられます。
内製の場合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 外注費用は発生しない | 人件費や教育コスト、システム環境の維持コストが発生 |
| 担当者の退職や異動により再度採用・教育コストが発生する |
外注の場合
| メリット | デメリット |
|---|---|
| トータルコストで抑えられる場合が多い | 月額費用が必要 |
| 予算が明確で、費用対効果を判断しやすい | |
| 担当者の退職による引き継ぎがない |
内製は外注費用が発生しない代わりに、人件費・採用コスト・教育コスト・担当者の退職による再教育コストなど、見えにくいコストが積み重なります。外注は月額費用がかかりますが、予算が明確で担当者の退職リスクもないため、長期的に見るとトータルコストを抑えられる場合が多いです。
- 長期的な視点で人材育成に投資でき、継続的な体制を維持できる → 内製
- 予算を明確にして専門家に任せたい、または担当者の退職による引き継ぎを避けたい → 外注
これらのポイントを踏まえて、外注が適していると判断した方は、次の章で外注先選びのチェックポイントを確認しましょう。
運用保守を外注する際の注意点:失敗しないための5つのチェックポイント

外注を決めたとして、どんな会社を選べば良いのでしょうか?ここでは、外注先選びで確認しておきたい5つのポイントを解説します。
可能であれば、開発を担当した会社に依頼する
システムの運用保守は、できる限り開発を担当した会社に依頼するのが望ましいです。
開発時のエンジニアが保守も継続対応することで、設計意図や仕様を深く理解した的確な対応ができます。開発会社はソースコードレベルで細部を把握しているため、障害時の原因究明や恒久対応も素早く進みます。
開発から保守まで一貫して伴走する体制が理想的です。 たとえばレブクリエイトでは、開発を担当したエンジニアがそのまま保守も担当する体制を取っています。「作って終わり」ではなく、運用・保守・改善まで長く寄り添い続けるため、障害対応は30分〜1時間以内に完了することが多く、「担当者が変わって対応が遅くなった」という問題が起きません。実際、保守契約の継続率は92%、6年以上継続取引している顧客が6割を超えています。
別会社だとコードを読むところから始める必要がありますが、開発元なら蓄積された知見で過去の類似不具合も踏まえた対策ができます。
セキュリティ面でも開発元なら安心です。 システムのアーキテクチャや使用技術を熟知しているため、脆弱性が発見された際の影響範囲を素早く判断でき、的確な対策を打てます。別会社だとコードを読んでセキュリティ設計を理解するところから始める必要がありますが、開発元なら設計段階からセキュリティを考慮していた経緯も把握しています。
ただし、開発会社の保守対応に不満がある場合や費用が高い場合は、他社への切り替えも検討する価値はあります。
依頼範囲を明確にし、外注先の種類を理解する
外注先を選ぶ前に、依頼範囲を明確にしましょう。「運用だけか、保守も含むか」「どこまでの作業を依頼するか」を明確にすることで、「それは対応範囲外です」という認識のズレを防げます。
運用保守を委託できる外注先には主に以下の3種類があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| システム開発会社 | 開発から保守まで一貫してサポート。設計意図を理解した対応ができる。費用はやや割高。 |
| 運用保守専門会社 | 保守運用に特化。24時間365日監視など充実した体制。開発は別途依頼が必要。 |
| フリーランス | 小規模システムに対応。費用を抑えられる。属人性が高く、対応範囲に限界がある。 |
それぞれの特徴を理解した上で、次は費用面を比較していきましょう。
複数社から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較する
外注先を選定する際は、複数社から見積もりを取り、費用とサービス内容を比較することが大切です。単純に金額だけで判断せず、以下の点を確認しましょう。
- 基本料金に含まれる作業内容
- 緊急時の対応時間(24時間対応か営業時間のみか)
- SLA(サービスレベル保証)の有無
- 追加費用の発生条件
比較表の例
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 月額10万円 | 月額8万円 | 月額12万円 |
| 対応時間 | 24時間365日 | 営業時間のみ | 24時間365日 |
| SLA | あり | なし | あり |
| 追加費用 | 別途見積 | 時間単位請求 | 一定時間まで含む |
このように比較表を作ることで、各社の違いが一目で分かります。費用だけでなく、サービス内容も含めて総合的に判断しましょう。
契約期間・SLA・セキュリティ対策を事前に確認する
運用保守の委託契約は長期にわたることが多く、1年契約が一般的ですが、契約期間や解約条件は会社によって異なります。契約前に更新条件や解約予告期間(1ヶ月前、3ヶ月前など)を必ず確認しましょう。
SLA(Service Level Agreement)とは、サービス品質保証の合意書で、以下の項目が盛り込まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| システム稼働率 | 月間稼働率99.9%以上など |
| 対応時間 | 平日9:00〜18:00、または365日無休など |
| 復旧・解決までの時間 | トラブル発生から完全復旧までの目標時間 |
| バックアップ関連 | 定時バックアップの取得率や保存期間 |
SLAがあることで、サービス品質の基準が明確になり、トラブル時の対応もスムーズになります。セキュリティ対策も重要な確認事項です。外注先がISMSやPマークを取得しているか、データ保護方針、情報漏洩時の補償規定などを確認しましょう。
担当者の専門性とコミュニケーション体制をチェックする
外注先を選ぶ際は、担当者の専門性とコミュニケーション体制を確認しましょう。
- 保守・運用の専門知識と経験
- 問い合わせ窓口、対応時間、連絡手段(メール、電話、チャット等)
- チャットツール(Slack、Chatwork、Microsoft Teams等)での迅速なやり取りの可否
- 定例ミーティングや報告の頻度
- トラブル発生時のエスカレーションフロー
これらのポイントを押さえておけば、外注先選びで失敗するリスクを大きく減らせます。
システム運用保守の外注に関するよくある質問
Q1: 内製から外注に切り替えるタイミングは?
できる限り早めに検討するのがおすすめです。新規システム開発の段階で運用保守を誰が担うかを決めておくのが望ましいです。
内製から外注に切り替える場合は、以下のような状況が該当します。
- 専門人材の確保が難しくなった時
- 24時間対応や緊急時の体制が必要になった時
- システムの規模が拡大し社内リソースでは対応しきれなくなった時
- 担当者の退職や異動で引き継ぎが困難になった時
段階的な移行もできます。初めは監視・障害対応だけ外注し、慣れてきたら徐々に外注範囲を広げる方法も取れます。早めに検討を始めることで、選択肢が広がり、より良い条件で外注先を見つけられます。
Q2: 外注先は途中で変更できる?引き継ぎの手間は?
契約上は変更(乗り換え)自体はできます。ただし、引き継ぎコストや情報共有の手間が大きいです。
システムの仕様書やドキュメントが整備されていないと、新しい外注先への引き継ぎが困難になります。
- 仕様書・設定資料・運用マニュアル・障害履歴などのドキュメント整備が必要
- 新しい保守担当者はシステム構成やプログラムの癖を一から学習する必要がある
- 引き継ぎ当初は調査・ドキュメント作成などのイニシャル費用が別途かかる
このように、外注先を変更すると時間もコストもかかります。だからこそ、最初から開発会社に保守も任せる体制が望ましいのです。 開発時のエンジニアが保守も継続対応することで、引き継ぎによる情報ロスがなく、迅速な対応が期待できます。
まとめ:外注は「コア業務に集中する」ための正しい選択
運用保守の外注を検討しているなら、記事で紹介した3つの質問を思い出してください。
- 社内に専門人材はいるか?今後採用・育成できるか?
- 24時間対応や緊急時の体制が必要か?
- 長期的なコストと継続性をどう考えるか?
これらの質問に1つでも「厳しい」と答えたなら、外注が合っているかもしれません。たとえば24時間体制を内製で組むには年間2,700万円かかる計算になりますが、その費用で専門会社のサービスを受けられるなら、むしろ効率的といえます。
外注先選びで最も重要なのは「開発と保守が分断されていないか」です。開発を担当したエンジニアが保守も継続対応する体制なら、引き継ぎロスがなく、迅速な対応が期待できます。
開発から保守まで一貫して伴走する体制が理想
「作って終わり」ではなく、開発完了後も運用・保守・改善まで長く寄り添い続ける体制が理想です。開発と保守を分断しない会社を見分けるには、保守契約の継続率や長期取引顧客の割合を確認する方法があります。
レブクリエイトは、開発から保守まで一貫して伴走します。 累計開発実績500件以上、内製率94%で企画から保守まで一貫対応しています。保守契約の継続率92%、6年以上継続取引の顧客が6割を超えているのは、以下の体制があるためです。
- 開発担当エンジニアが保守も担当: 引き継ぎによる情報ロスがなく、障害対応は30分〜1時間以内に完了
- 24時間365日のサーバー監視: 深夜や休日の障害にも即座に対応
- 自社内開発体制(外注なし): オフショアや下請けに丸投げせず、自社エンジニアが責任を持って対応
- 専属チームが全工程を担当: 開発時の背景や設計意図を理解した上での保守対応
こうした体制があるからこそ、多くのお客様に長く選ばれ続けています。「まずは小さく始める」方法も取れます。監視だけ、障害対応だけから始めて、自社に合った形を探していけば良いのです。
システム開発の運用保守について、ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。現状の課題感やご要望をお聞かせいただければ、最適なご提案をさせていただきます。
