投稿日:2026.02.03 最終更新日:2026.02.03
システム開発で食い違いはなぜ起こる?認識齟齬を防ぐ5つの原因と具体的な対策
「要件は伝えたはずなのに、出来上がったものが全然違う…」
前回のシステム開発で、こんな経験はありませんでしたか?
完成が近づいて「もうすぐ使えるようになる」と期待していたのに、初めてデモを見た瞬間に固まってしまう。
「これじゃない」と気づいた時には、すでに数百万円と数ヶ月が消えている――。
実は、この「認識齟齬」で失敗するプロジェクトには、明確な共通パターンがあります。
多くの方が「担当者の腕が悪かった」「自分の伝え方が悪かった」と考えますが、本当の原因は別の場所にあります。それは、開発体制の構造そのものです。
言語の違い、物理的な距離、コミュニケーション手段の制約――これらは体制によって程度が異なりますが、どの体制にも固有の課題があり、それを補う仕組みがあるかどうかが成否を分けます。
ですが、原因が分かれば、対策も見えてきます。認識齟齬の大半は、基本的な仕組みで防げるのです。
この記事では、これまでの開発で培った現場知見をもとに、認識齟齬が起こる本当の理由と、次こそ期待どおりに進めるための具体的な方法をお伝えします。
- 認識齟齬がもたらす3つの深刻な影響
- 認識齟齬が起こる5つの主な原因
- 認識齟齬が起こりやすい3つの典型的な場面
- 今日から実践できる5つの対策方法
- 認識齟齬を防ぐための開発パートナー選びのポイント
目次
システム開発における認識齟齬とは?

認識齟齬とは、システム開発プロジェクトにおいて発注者と開発者の間で生じる「認識の食い違い」のことです。
例えば、発注者は「業務管理システムを作ってほしい」と依頼したのに、出来上がったものが想定とかけ離れていた…このような「思っていたのと違う」状況が典型例といえます。
実際の現場では、発注側が「この機能も含まれているはずだ」と思い込んでいたのに実装されていなかったケースや、「完成まで3ヶ月と聞いていたのに、3ヶ月経っても使えない」といった納期認識のズレなど、様々な齟齬が発生しています。
こうした認識齟齬が起こる背景には、発注者と開発者の知識・前提の違いやコミュニケーション方法の問題があります。
お互い同じ言葉を使っていても頭に描くイメージが異なることが多々あるのです。
「業務管理システム」と一口に言っても人によって思い浮かべる範囲が違いますし、口頭だけのやり取りでは記憶違いや解釈違いも生じやすくなります。
このように、システム開発の現場ではちょっとした認識のズレが大きな問題に発展する土壌があり、それが「認識齟齬」と呼ばれる現象なのです。
認識齟齬がプロジェクトに与える3つの深刻な影響
認識齟齬を防ぐにはまず、リスクを知ることが予防の第一歩です。
ここでは主な3つの影響を解説します。
スケジュール遅延と機会損失
認識齟齬による手戻りが発生すると、開発スケジュールは大幅に狂います。
完成直前に「当初想定と違う!」となれば、設計の練り直しや追加開発で納期は延びてしまいます。
予定していたリリースに間に合わず市場投入が遅れると、競合に先行されたり、ビジネスチャンスを逃すリスクがあります。
計画していたキャンペーンやサービス開始時期を逸してしまうと、その遅れによる売上損失は甚大です。
予算超過とコスト増加
認識齟齬は追加の工数・作業を生むため、予算オーバーを引き起こします。
当初取り決めた仕様に無かった修正対応や、齟齬是正のための再設計・再テストが発生すれば、その分コストがかさみます。
ケースによっては「結局最初の見積もりの1.5倍の費用になった」というケースも珍しくありません。
加えて、社内人的リソースを想定以上に拘束することで他プロジェクトに割ける予算・人員が減るといった波及的な損失もあります。
品質低下とプロジェクト失敗のリスク
齟齬に気付いて慌てて修正する場合、作業が詰め込み・突貫になりがちです。
納期遅延を挽回しようと無理をすれば、テストの簡略化や確認漏れが起き、不具合を抱えたままリリースしてしまう危険が高まります。
その結果、ユーザーからクレームが出たり、せっかく導入したシステムが現場で使われなかったりと、納品後に深刻な問題が噴出することもあります。
ただし、安心してください。これらはすべて「防げる問題」です。
次のセクションから、認識齟齬が起こる原因と具体的な防ぎ方を解説していきます。
システム開発で認識齟齬が起こる5つの主な原因

認識齟齬によって起こる影響が何かを理解したところで、次は「なぜ起こるのか」を見ていきましょう。
実は、認識齟齬は単なる「コミュニケーション不足」によるものではなく、システム開発という仕事の本質的な難しさと、開発体制の構造に根本原因があります。
ですが、原因が分かれば対策も打てます。
ここでは、認識齟齬を引き起こす5つの主な原因と、それぞれの具体的な防ぎ方を解説します。
1. 曖昧な要件・仕様の記述
要件や仕様の記述が曖昧だと、受け手が都合よく解釈してしまうため齟齬が生じます。
例えば、「分かりやすい画面にしてほしい」「できるだけシンプルに」といった抽象的な要望は、その場では合意した気になっても具体的なイメージが人によって異なります。
曖昧な言葉が出た時点で「具体的には?」を一度詰めておくだけで、後の安心につながります。
- ×「分かりやすい画面に」
- ◯ 「初めての人が見ても3秒で次の操作が分かる画面に」
このように、判断基準を数値や行動で表現できると、さらにズレが減ります。
少し手間に感じるかもしれませんが、この5分の確認が後の数週間の手戻りを防ぎます。
2. 専門用語・業界用語の解釈の違い
同じ言葉でも立場が違えば指す意味が変わります。
例えば「ユーザー」という言葉ひとつとっても、開発者はシステム利用者を指すのに対し、発注企業側では自社の顧客を指すことがあります。
専門用語の齟齬は、最初に10個程度の主要用語を定義しておくだけで劇的に減ります。
プロジェクトキックオフ時に、以下のような簡単な用語集を作成しましょう。
- ユーザー = システムの最終利用者(当社の従業員)
- 顧客 = 当社のクライアント企業
- 納品 = 本番環境への配置+検収テスト完了時点
所要時間は30分程度ですが、この作業がプロジェクト全体の認識を揃える土台になります。
3. 記録・文書化の不足
やり取りを口頭で済ませ記録を残さないと、「言った・言わない」の水掛け論が発生しやすくなります。
人の記憶は時間と共に曖昧になるため、会議や打ち合わせ内容を記録しないままだと、後から「聞いていない」「いや伝えた」の争いになりかねません。
記録の習慣を作るだけで、齟齬は「争い」ではなく「調整」に変わります。
会議の翌日までに簡単な議事録を送るだけで、認識のズレは大幅に減ります。
フォーマットは複雑である必要はありません。
- 決定事項(3~5項目)
- 次のアクション(担当者と期限)
- 保留事項・要確認事項
この3つだけでも十分です。
記録を取る習慣が、「あの時どう言ったか」で悩む時間を大幅に減らし、プロジェクトが前に進みやすくなります。
4. 前提・背景知識の共有不足
「これくらい知っているだろう」という思い込みが齟齬を招きます。
伝えられていない情報は相手にとって「存在しないもの」だからです。
例えば、発注企業が「既存システムAと新システムはデータ連携する前提」と心の中で思っていても、それを明確に伝えなければ、開発者は連携なしの単独システムとして設計してしまいます。
背景が共有できるほど、開発側も「その要件だと目的に届かないかもしれません」と先回りの提案がしやすくなります。
要件定義の最初に、業務の背景を5分説明するだけで、プロジェクトの質が大きく上がります。
- なぜこのシステムが必要なのか
- どんな課題を解決したいのか
- 既存システムとの関係性はどうか
この説明によって、開発側から「それならこの機能も必要では?」という提案が出やすくなります。
背景を共有することで、開発パートナーが「協力者」になるのです。
5.開発体制による構造的な問題
上記1~4の原因は、開発体制によって発生しやすさが大きく変わります。
認識齟齬を防ぐには、体制に応じた対策が必要です。
例えば、オフショア開発では言語・文化・時差という構造的な要因があるため、その分を補う仕組み(詳細な文書化、翻訳精度の確保、非同期コミュニケーションの工夫など)が重要になります。
一方、国内開発では言語の壁がない分、リアルタイムでの細かなすり合わせがしやすい環境です。
ただしどちらが良いというよりも、どちらの体制でも、「コミュニケーションを構造的に支える仕組み」があるかどうかが成否を分けます。
システム開発で意思疎通がうまくいかない4つの原因と解決策
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認識齟齬が起こりやすい場面とは?

認識齟齬は実際にどんな場面で起こりやすいのか、パターンが分かれば、事前に手を打つことができます。
ここでは、特に認識齟齬が起こりやすい3つの典型的な場面と、それぞれの防ぎ方を具体例を交えて紹介します。
要件定義での認識齟齬 : 機能の「範囲」のズレ
機能要件の「範囲」の捉え違いが典型例です。
発注者が「在庫管理機能」と言った際、発注側は「自動発注やアラート通知」まで想定していたのに、開発側は「登録・表示の基本機能のみ」と解釈してしまうケースがあります。
実は、このズレは簡単に防げます。
「在庫管理=どこまで含むか」を箇条書きで確認するだけです。
- 在庫の登録・表示(基本機能)
- 在庫数のアラート通知(閾値以下で通知)
- 自動発注機能(必要に応じて)
このように、3~5項目で「含むもの・含まないもの」を明確にすれば、お互いの認識は大きく揃います。
システム開発で「仕様ズレ」を防ぐ方法 | 発注者が押さえるべき5つのポイント
システム開発で「指示通りに作ってもらったはずなのに、何か違う」と感じる瞬間は意外と多いものです。 実は、IPAの調査によれば、システム開発プロジェクトの約5割が何らかの問題を抱えており、その主因の一つが「要件定義の不備」や「仕様の認識ズレ」です。 けれども、仕様ズレは防げる問題でもあります。
10分の確認で、数週間の手戻りが防げるのです。
デザインでの認識齟齬 : 例「おしゃれ」の定義が違う
デザインは主観が入りやすい領域だけに、イメージの差で齟齬が起こります。
よくあるのが「『おしゃれな感じ』と言ったが、お互いの考える『おしゃれ』が違った」というパターンです。
発注者は「シンプルで洗練されたデザイン」を想定していたのに、出来上がったデザインは装飾が多くポップな雰囲気だった、というケースです。
デザインの齟齬は、「見える形」で合意できれば劇的に減らせます。
既存サイトやアプリのスクリーンショットを3つほど用意して、「この中だとAに近いイメージです」「Bの配色は避けたいです」と具体的に伝えるだけで、開発側の理解度が大きく変わります。
既存サイトではなくとも、参考にしたいものを見せるだけでもお互いのイメージのすり合わせができます。
言葉だけで「シンプル」「おしゃれ」と伝えるより、実際のサイトを見せる方が100倍正確です。
準備時間は10分程度ですが、その後の手戻りを大幅に削減できます。
納期での認識齟齬 : 「テスト完了=納品」の誤解
プロジェクトの「完了」や「納品」の定義をめぐるズレも頻出します。
開発側は「○月○日にテストまで完了=その日にシステム引き渡し」と認識していたのに、発注側は「正式に運用開始してこそ納品完了」と考えていた場合、受け取り拒否といった事態が起こる可能性があります。
このズレは、契約時の一文で完全に防げます。
「納品=テスト完了後、本番環境への配置完了時点」のように、具体的な状態を定義して契約書に明記しておけば、後々のトラブルは大幅に減ります。
また、「約4週間」といった曖昧な表現も要注意です。「4週間±3営業日」のように許容範囲を数値化しておけば、お互いの期待値が揃います。
最初の5分の確認が、後の数ヶ月の安心につながります。
すでに認識齟齬が起きてしまった時の対処法

「すでに認識がズレていることに気づいてしまった」「デモを見て、思っていたのと違うことが分かった」――そんな状況に直面している方もいるはずです。
認識齟齬は、早く気づけば気づくほど、被害を抑えられます。
このセクションでは、すでに起きてしまった認識齟齬にどう対処すべきか、具体的なステップをお伝えします。
1. まずは開発を一時停止し、齟齬の範囲を特定する
認識齟齬に気づいたら、まずは開発作業を一時停止することが重要です。
ズレたまま進めると、修正コストがどんどん膨らみます。
「もう少し進めてから考えよう」は、最も危険な判断です。
具体的な手順:
- 開発チームに状況を伝える
- 「認識がズレていることに気づいた」と率直に伝える
- 責任追及ではなく、「どうすれば軌道修正できるか」という姿勢で
- 齟齬の範囲を明確にする
- どの機能・仕様がズレているのか
- どこまでは合っていて、どこからズレているのか
- 表にまとめると整理しやすい
| 項目 | 想定していた内容 | 実際の実装 | ズレの程度 |
|---|---|---|---|
| 在庫管理機能 | 自動発注機能あり | 基本的な登録・表示のみ | 大 |
| ユーザー権限 | 3段階の権限設定 | 2段階の権限設定 | 中 |
- 影響範囲を見積もる
- 修正にどれくらいの時間がかかるか
- 他の機能にも影響が出るか
- 納期にどう影響するか
この初動対応をなるべく早く行うことで、被害を最小限に抑えられます。
2. 責任の所在と追加費用について冷静に整理する
認識齟齬が起きた時、「誰のせいか」で揉めるケースは少なくありません。
しかし、責任追及よりも、どう前に進むかを優先すべきです。
整理すべきポイント:
契約書・仕様書を確認する
まずは、契約書や仕様書に何が書かれていたかを確認します。
- 該当機能について明記されていたか
- 曖昧な表現で済まされていなかったか
- 口頭でのやり取りは記録されていたか
追加費用の負担について話し合う
- 開発側の解釈ミスの場合:無償修正を依頼できる可能性が高い
- 仕様書に明記されていなかった場合:発注側・開発側双方の責任として、費用を分担することも
- 発注側の追加要望の場合:追加費用が発生するのは妥当
重要なのは、どっちが悪いなど責任を押し付け合わず、感情的にならず、事実ベースで話し合うことです。
3. 認識を再度揃え直し、要件を明文化する
認識齟齬が起きたということは、要件定義のやり方に問題があったということです。
同じ失敗を繰り返さないために、ここで認識の揃え方を見直しましょう。
具体的な進め方:
- 修正後の完成イメージを「見える形」で共有する
- ワイヤーフレーム、画面遷移図、フロー図などを用意
- 「こうなっていてほしい」を口頭ではなく、図で示す
- 曖昧な表現をすべて具体化する
- 「使いやすい」→「初めての人が3秒で次の操作が分かる」
- 「柔軟な設定」→「管理画面から5項目を変更可能」
- 要件を箇条書きで明文化し、双方で署名する
- 「これで合意」という証跡を残す
- メールでの確認でも可
この時点で丁寧に認識を揃え直せば、以降の開発はスムーズに進みます。
4. プロジェクトを継続すべきか、業者を変えるべきかの判断基準
認識齟齬が起きた時、「このまま続けるべきか」「業者を変えるべきか」で悩む方も多いでしょう。
判断基準は以下のとおりです。
継続を検討すべきケース
- 開発側が誠実に対応しようとしている
- 齟齬の原因が明確で、再発防止策が立てられる
- すでに開発が50%以上進んでいる(やり直しのコストが大きい)
- 技術的な品質に問題がない
業者変更を検討すべきケース
- 開発側が責任を認めず、改善の姿勢が見られない
- 同じような齟齬が何度も繰り返されている
- 開発がまだ初期段階(30%未満)で、やり直しのコストが抑えられる
- コミュニケーションが取れない(返信が遅い、説明が不明瞭)
レブクリエイトでは、他社で認識齟齬が起きたプロジェクトの立て直し実績も多数あります。
「今のプロジェクトを続けるべきか」「どう軌道修正すればいいか」のご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
認識齟齬は、起きた後でも対処できます。
大切なのは、早く気づいて早く動くこと。
そして、同じ失敗を繰り返さないために、体制や進め方を見直すことです。
今日からできる認識齟齬を防ぐ5つの具体的な対策

認識齟齬の原因が分かれば、対策も見えてきます。
冒頭にも述べたように認識齟齬の大半は「基本的な仕組み」で防ぐことができます。
このセクションでは、今日から実践できる5つの具体的な対策を紹介します。
どれも特別なスキルは不要で、進め方を整えるだけで効果が出る方法です。
実際、レブクリエイトでこれらを徹底することで、6割以上のクライアント様と6年以上の長期取引を実現しています。
1. すべてのやり取りを記録・文書化する
認識齟齬を防ぐ第一の鉄則は、口頭で済ませず記録を残すことです。
「言った/言わない」の争いを無くすには、会議や打ち合わせごとに議事録を作成し共有するのが有効です。
実践のコツ:シンプルな議事録テンプレートを用意する
議事録は複雑である必要はありません。
以下の3項目だけでも十分効果があります。
- 決定事項(3~5項目)
- 次のアクション(担当者と期限)
- 保留事項・要確認事項
会議直後から24~48時間以内に共有すると、記憶が新しいうちに認識を揃えられます。
また、メールやチャットでのやり取りも必ずログを残すようにします。
口頭で確認した内容も、後から「◯◯の件、以下の認識で相違ないでしょうか?」と要点をメールで送っておけば証跡になります。
2. 復唱・要約・図解で相互確認する
人は「分かったつもり」で誤解していることが多いものです。
これを防ぐには、コミュニケーションの各所で相互確認を入れることが大切です。
実践のコツ:「つまり〇〇ということですね?」を習慣化する
相手の説明を聞いたら、自分の言葉で言い直して確認するだけで、齟齬は大幅に減ります。
例:
- 相手:「この機能は柔軟性を持たせたいです」
- 自分:「つまり、管理画面から設定を変更できるようにする、ということですね?」
この一言で、お互いの理解が揃っているか確認できます。
視覚化でさらに確実に
口頭や文章だけでは伝わりにくい概念は、図解・フロー図・ワイヤーフレームなどを使って共有します。
特にUIデザインや画面遷移などは、ラフなワイヤーフレームでも用意して見せると誤解が激減します。
手書きのスケッチでも構いません。「見える形」にすることで、認識のズレが一目で分かるようになります。
復唱で言葉の齟齬を潰し、図やサンプルでイメージの齟齬を潰す。
この二段構えで相互確認を徹底すれば、「分かったつもりだった」がほぼゼロになります。
3. プロジェクト開始時に用語集を作成する
プロジェクト内で頻出する用語の定義を統一しておくことも効果的です。
実践のコツ:キックオフで30分かけて用語を定義する
最初に用語集を作り、「ユーザー=最終利用者」「顧客=自社クライアント」「納品=ユーザーへのシステム引き渡し完了時」等、チームで使う言葉の意味を明文化して共有しましょう。
テンプレート例:
| 用語 | 定義 | 補足 |
|---|---|---|
| ユーザー | システムの最終利用者 | 当社の従業員を指す |
| 顧客 | 当社のクライアント企業 | エンドユーザーとは区別 |
| 納品 | 本番環境配置+検収完了 | テスト完了時点ではない |
プロジェクト中に新しい用語や略語が出てきたら随時このリストに追加し、全員が参照できる場所(Wikiやクラウド文書)に置いておきます。
所要時間は30分程度ですが、この作業がプロジェクト全体の認識を揃える土台になります。
特にシステム業界とあなたの業界で同じ用語でも全く違う意味を指すこともあります。
お互いの用語のすり合わせは確実にしておきたいところです。
4. 定例会議で認識のズレを確認する
認識齟齬は、小さなものなら早期に発見・修正すれば大事に至りません。
そのために、定期的なコミュニケーションの場を持つことが重要です。
実践のコツ:定例会議に「齟齬確認タイム」を設ける
週次あるいは隔週でプロジェクトチーム全員が集まり、進捗と懸念事項を共有する場を設定します。
ここで単なる進捗報告に留めず、「何か認識のズレは起きていないか?」を確認する時間を必ず設けましょう。
効果的な質問例:
- 「最近のやり取りで不明点は?」
- 「○○の仕様について、皆さんの理解を確認させてください」
- 「前回の決定事項で気になっていることは?」
この時間を設けることで、メンバーが「聞きにくいこと」を聞ける雰囲気が生まれます。
レブクリエイトでも定例会議を通じて進捗報告と次工程の認識すり合わせを徹底しており、これにより手戻りを最小限に抑え、スケジュール通りの納品を実現しています。
小さなズレを週次で修正すれば、大きなトラブルにはなりません。
5. コミュニケーション重視の開発パートナーを選ぶ
上記1~4の対策を講じても、開発体制自体に無理がある場合、認識齟齬を完全になくすのは難しいです。
そこで根本的な解決策として、プロジェクトの進め方・パートナー選定を見直すことも検討しましょう。
実践のコツ:「コミュニケーションの質」で比較する
開発パートナーを選ぶ際、価格だけでなく「コミュニケーションの質」を重視することが成功の鍵です。
良いパートナーの見分け方:
- 提案段階から質問や提案が積極的
- 要件定義支援に強みを持っている
- 担当者の変更がなく、一貫して伴走してくれる
- 議事録や進捗報告を確実に共有してくれる
例えば、オフショア開発でコミュニケーションに不安があるなら、多少コストは上がっても国内の開発会社に依頼することで言語や時差の壁をなくし齟齬リスクを大きく減らせます。
システム開発の「暗黙の了解」には気をつけよう。トラブルを防ぐ方法と国内開発のメリット
システム開発で「要件通りに作ったはずなのに『思っていたのと違う』と言われた」という経験はありませんか? そのとき、「どこで食い違ったんだろう」「もう一度同じことが起きたら困る」と不安になってしまうのは自然なことです。 ただ、こうしたトラブルの多くは、担当者の能力不足が原因ではありません。 業界
要件定義の段階からコンサルティング的に関わり、認識合わせを主導してくれるパートナーであれば、発注者側に専門人材がいなくても齟齬を潰しながら進めてくれます。
レブクリエイトでは、専属担当のプロジェクトマネージャーが企画提案段階からリリース・保守まで一貫して伴走し、要件の整理から認識合わせまできめ細かく支援しています。
全工程を自社内で完結することで、伝言ゲーム的な情報伝達ロスを防ぎ、リアルタイムで密なコミュニケーションを実現しています。
その結果、6割以上のクライアント様と6年以上の長期取引を継続しており、「次もレブクリエイトに」とご評価いただいています。
パートナー選びを変えるだけで、プロジェクトの成功率は大きく変わります。
まとめ:認識齟齬は「防げる問題」、次のプロジェクトは成功させられる
システム開発における認識齟齬は、プロジェクトの成否を左右する重要な課題です。
しかし、この記事でお伝えしたように、認識齟齬は「防げる問題」です。
認識齟齬の根本原因は、コミュニケーション手法だけでなく、開発体制の構造にも起因してしまう問題です。
だからこそ、記録・文書化、相互確認、用語統一、定期的なすり合わせといった基本的な対策を徹底することで、リスクを大幅に減らせます。
そもそもの開発体制を見直すことが、最も確実な解決策になるかもしれません。
- 認識齟齬は「誰かが悪い」から起きるのではなく、体制の構造に原因がある
- パターンが分かれば、事前に手を打てる
- 記録・相互確認・用語統一などの基本対策で大幅に減らせる
- コミュニケーション重視のパートナー選びが成功の鍵
- 国内開発体制なら、構造的に認識齟齬を防ぎやすい
レブクリエイトは、国内開発体制により認識齟齬を構造的に防ぐ環境を提供しています。
累計300件以上の開発実績と6割以上の長期継続取引の実績を持ち、要件定義段階からの徹底的な伴走、専属担当者による一貫したコミュニケーション、そして国内開発ならではの密なやり取りで、「思っていたのと違う」を防ぎます。
また、全工程を内製で行うため、伝言ゲーム的な情報伝達ロスがなく、リアルタイムで密なコミュニケーションが可能です。
お客様の業務背景や課題を深く理解した上で、最適なシステムを提案・実現します。
「次こそは期待どおりに進めたい」
そう願う方は、ぜひ一度レブクリエイトにご相談ください。
あなたのプロジェクトを成功に導く具体的な方法を、一緒に考えます。