投稿日:2026.02.03 最終更新日:2026.02.03
システム開発業者の選び方|業者選びの判断軸と「ディレクション力」で見極める方法
Excelが限界、業務が属人化、既存システムが老朽化——「そろそろシステム化しよう」と動き出したとき、最初にぶつかるのが「どの会社に頼めばいいか分からない」という壁です。
検索すれば会社は山ほど出てくるのに、どこも「実績○○件」とアピールしていて違いが分からない。
知名度や実績数だけで選ぶと、担当者が業務を理解しておらず認識ズレが起きる——これがよくある失敗パターンです。
この記事では、業者タイプ・費用・実績・保守の基本を押さえたうえで、業者を選ぶ時に最も考慮したい「ディレクション力」の見極め方を解説します。
- 業者タイプ(大手SIer/中堅・中小/フリーランス)の向き不向き
- 費用相場と見積の見方、実績・保守のチェックポイント
- 相見積もりで「大手だから安心」に陥らないための視点
- 業者選びで最も重要な「ディレクション力」とは何か
- 優れたディレクターを初回商談で見極める具体的な質問
目次
システム開発会社を選ぶ前に押さえる基本(タイプ・費用・実績・保守)

システム開発会社(SIerを含む)は、企業のシステムを要件定義〜設計〜開発〜テスト〜導入〜保守まで支援する存在です。
まずシステム開発会社を探すために、次の2点を押さえておいてください
- どの工程までを「契約範囲」に含めるか(特にテスト/導入/保守)
- 誰が要件整理・合意形成(=ディレクション)を担うか
なぜこの2点かというと、ここが曖昧なまま見積を取ると「何が含まれているか」がバラバラになり、金額だけでは比較できなくなるからです。
また、後から「それは範囲外です」「誰がまとめるんですか」と揉めやすいのもこの2点です。
見積依頼の前にこの2点を文章にして各社へ同条件で共有すると、前提のズレが減って比較しやすくなります。
依頼先のタイプは大きく3つ
依頼先は大きく3タイプに分けられます。まずは「向き不向き」だけ把握しましょう(細かな注意点は後半で扱います)。
| 依頼先のタイプ | 向いているケース(例) | 主なメリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 大手SIer | 数千万円〜数億円規模/全国展開の基幹システムなど | 大規模案件の体制・ガバナンスを組みやすい | 窓口と開発現場の距離が開く場合がある |
| 中堅・中小の開発会社 | 数百万円〜数千万円規模/業務システム・Web・アプリ | 直接コミュニケーション/柔軟な意思決定 | 体制の安定性・品質管理ルールを要確認 |
| フリーランス・個人開発者 | 小規模・限定範囲の開発 | 低コストになりやすい/意思決定が速い | 属人化・継続性(病欠/代替)・保守体制に注意 |
大手SIerは、契約・統制・体制が整いやすい反面、窓口担当と実際に手を動かす開発者が別会社になるケースが多く、要望が「伝言ゲーム」になりやすい傾向があります。
中堅・中小の開発会社は、担当者と開発者の距離が近く、現場の事情を踏まえて柔軟に形にしやすい一方、品質管理の仕組みは会社によって差があります。
フリーランス・個人開発者は、スピードと小回りが強みですが、属人化しやすいので「引き継ぎ」と「保守窓口」を先に決めておくのがポイントです。
たとえば「数百万円規模の業務システムを、現場の声を聞きながら柔軟に作りたい」なら中堅・中小が合いやすく、「数億円規模の基幹刷新で、ガバナンスと統制を重視したい」なら大手SIerが選択肢になります。
費用相場と見積の見方
費用は、規模・要件の固まり具合・品質基準・運用条件で大きく変動します。
まずは目安を押さえましょう。
業務系スクラッチ開発は100万円〜1,500万円が相場
システムの種類によって、費用相場は大きく異なります。
| システム種別 | 費用相場 |
|---|---|
| 業務系システム(スクラッチ開発) | 100万円〜1,500万円程度 |
| Webサービス系システム | 50万円〜1,000万円程度 |
| スマホアプリ | 50万円〜1,000万円程度 |
| パッケージソフト導入+カスタマイズ | 数十万〜数百万円 |
| クラウドサービス活用 | 月額数万円程度から |
このように費用レンジは非常に広いため、自社の予算規模と希望する開発手法(スクラッチかパッケージ利用か)を整理しておくことが重要です。
見積で判断したい3つのポイント
見積の「金額」だけで判断すると、後から「それは含まれていません」「追加費用です」となりがちです。
安く見える見積ほど、抜けている項目が多い可能性があります。
- 内訳
要件定義/設計/テスト/保守などが抜けていないか - 追加費用の条件
仕様変更・範囲外の扱い、単価、上限 - 前提条件
要件・優先順位・納期・運用条件が揃っているか
この3点が曖昧な見積は、進め始めてから「思ってたのと違う」が起きやすくなります。安い、高いよりも、「何が含まれているか」で比較しましょう。
実績・保守・会社の安定性の見方
業者選びでは、実績や保守体制、企業の安定性も重要な判断材料になります。
ここでは「何を見るか」だけ押さえます。
「導入実績○○社」より自社と類似業種での成功事例が重要
「導入実績○○社」「取引社数○○件」などのアピールは一見すごそうですが、数だけでは「自社と同じ課題を解決できるか」は分かりません。
実績数より「内容が自社に近いか」を見る方が、成果の再現性を判断しやすくなります。
- 業種/業務の近さ:同じ業界・業務フローを理解しているか
- 規模の近さ:予算・ユーザー数・データ量が近いか
- 成果(KPI):導入後にどんな数字が改善したか
- 継続支援(保守・改善まで):作って終わりではなく、運用後も伴走しているか
この4点が具体的に語られるほど、「自社でも同じ成果が出そうか」が見えてきます。
実績は「社名」よりも、課題→解決→運用後のストーリーが自社に近いかで判断しましょう。
当社レブクリエイトは、累計300件以上の開発実績を持ち、製造業・物流・自治体・医療等、多様な業種での開発経験があります。
6割超の顧客と6年以上継続取引を続けているのは、単発の開発で終わらず、長期パートナーとして信頼されている証です。
中部国際空港社、ガッツレンタカー社など多くのお客様の課題を深く理解し、実務に即したシステムを形にしてきました。
保守費用の割合で判断をしない
保守は「月額○万円」という金額だけで比較しがちですが、いざトラブルが起きたときに「それは対応範囲外です」「夜間は対応していません」となると業務が止まります。
金額よりも先に「何をどこまで対応してくれるか」を決めておくことが重要です。
- 対応範囲:障害対応/改善/アップデート/監視など
- 対応時間:平日日中のみか、緊急対応の有無
- 窓口とSLA:連絡手段、初動時間、優先度の考え方
この3点は口頭確認で終わらせず、保守の契約条件(SLA/対応範囲)として書面に落とすと認識ズレを防げます。
設立年数・財務状況・長期的なパートナーとなれるかを見る
開発途中で業者が倒産してしまっては、プロジェクトが頓挫してしまいます。
設立年数、財務状況、長期的なパートナーとなれるかも確認しておきましょう。
相見積もりは「条件の統一」と「総合評価」が成功の鍵

最後、会社をある程度絞り込めてきた段階で、相見積もりを行いましょう。
しかし、この相見積もりも進め方を誤ると失敗につながります。
相見積は、次の3点を守って行いましょう
- 条件の統一:要件・優先順位・納期・運用条件を揃える
- 金額ではなく範囲で比較:「何が含まれるか」「追加時のルール」
- 総合評価:提案の理解度/リスク対策/進め方(ディレクション)まで見る
相見積の依頼文にこの3点を明記して同条件で出してもらうと、「金額」ではなく「提案内容と進め方」の差が見えます。
なお、比較の場面でよくある落とし穴が「大手だから安心」という思い込みです。規模が大きくても、窓口と実装の距離が開けば認識ズレは起きます。
会社規模ではなく誰がどう進めるかで判断することが重要です。
ここまでが「比較の土台」です。次に、この「誰がどう進めるか」についてもう少し掘り下げます。
業者選びで最も重要なのは「ディレクション力」

ここまで、業者タイプ・費用・実績・保守の基本を解説してきました。ただ、これらを押さえても失敗は起こり得ます。
なぜか。システム開発は、最初から要件が完璧に固まっていることの方が少ないからです。プロジェクトが進む中で「やっぱりこうしたい」「これも必要だった」と要望は変わります。
そのたびに、関係者の要求を整理し、合意をつくり、優先順位を決め直す必要があります。
この「整理して、合意をつくり、前に進める力」がディレクション力です。
そしてこの力は、会社の規模ではなく「誰が担当するか」で決まります。
大手だから安心、と思っても、実際に手を動かすのは下請け企業というケースは珍しくありません。
窓口の営業担当がどれだけ優秀でも、現場の開発者に業務理解が伝わらなければ、期待と違うシステムができてしまいます。
逆に、中堅・中小でも、担当ディレクターがあなたの業務を深く理解し、要件を整理し、プロジェクトを舵取りできれば、期待以上の成果が出ます。
つまり、会社の規模や知名度より、「誰が担当するか」で結果が変わるのです。
優れたディレクションができるのか見極める方法

ディレクション力が重要なら、それを発揮できる「優れたディレクター」を見極めることがカギになります。
初回商談で確認できる3つの見極めポイントを紹介します。
【見極め1】「なぜそれが必要か?」と深掘りしてくれるか
優れたディレクターは、コミュニケーション能力が高く、発注者・利用部門・開発チーム間の情報伝達を円滑にします。
専門用語をかみ砕いて説明し、発注者の不安や疑問を引き出すヒアリング力を持ち、合意形成する説得力があります。
初回商談では、表面的な「何が欲しいですか?」ではなく、「なぜそれが必要ですか?」「現状どうなっていますか?」と深掘りしてくれるかに注目してください。
優秀なディレクターほど的確な質問を投げ返してくれるはずです。
例えば、発注者が「現場ユーザのITリテラシーが低くて……」と漏らせば、「ではUIはできるだけシンプルにし、操作マニュアルも提供しましょう」等と具体策が出てきます。
双方向の対話の中で、専門知識だけでなく傾聴力や提案力が感じられるかがポイントです。
【見極め2】課題を事前に分析し、代替案を出せるか
優れたディレクターは、課題解決志向が強く、トラブル発生時に責任回避せず前向きに打開策を提案できます。
業務ドメインの理解に努める姿勢を持ち、必要に応じて最新技術トレンドを学びチームに共有できる知的好奇心もあります。
「今回のプロジェクトで予想される課題は何ですか?」と質問する
この特徴を確かめるなら、次の質問をしてみてください。
「今回のプロジェクトで予想される課題は何だと思いますか?」
優秀なディレクターなら事前にリスクを分析しています。
例えば「要件範囲が広いので優先度付けが鍵」「外部連携APIの仕様が不明確なので注意が必要」等、具体的な課題を挙げ対策の方向性を提案してくれるでしょう。
漠然と「大丈夫です」としか答えられないようなら要注意です。
「御社では過去に似た規模・業界の案件を担当したことは?その際に苦労した点とどう克服したか教えてください」
スムーズに成功事例や失敗から学んだ教訓を語れる担当者は信頼できます。
「大丈夫です、問題ありません」だけではなく、具体的経験談を引き出すことがポイントです。
「なぜこの機能が必要か」「優先順位はどうすべきか」を整理して提示
単なる見積もりだけでなく、「なぜこの機能が必要か」「優先順位はどうすべきか」を整理して提示してくれるか確認します。
代替案を示してくれるか(「予算を抑えるなら、この機能は後回しにできます」等)も重要なポイントです。
【見極め3】正直に「できない」と言えるか
優れたディレクターは、技術的に難しい場合や費用対効果が低い場合に、正直に「できない」「おすすめしない」と言える誠実さを持っています。
この誠実さが、長期的な信頼につながります。
契約を取りたいがために何でも「できます」と言ってしまうディレクターは、後でトラブルの原因になります。
「できること」と「できないこと」を正直に伝え、代替案を提示してくれるディレクターこそ、信頼できるパートナーです。
レブクリエイトが実践するディレクション

ここまで紹介した見極めポイントを、当社レブクリエイトがどう実践しているかをご紹介します。
「現在の業務フロー」「課題」を深掘りし本当に必要な機能を一緒に考える
レブクリエイトでは、初回ヒアリングで「どんなシステムが欲しいか」だけでなく、「現在の業務フローはどうなっているか」「どんな課題があるか」を深掘りします。
業務課題を整理し、「本当に必要な機能」「優先順位」を一緒に考えます。
ガッツレンタカー社からは「一度も”できない”と言われなかった」「真摯に相談に乗ってくれ、一緒に解決へ取り組む姿勢」と評価いただいています。
これは、要望を単に受け取るのではなく、業務を深く理解し、実現可能な形で提案する姿勢の表れです。
94%自社内開発で担当ディレクターと開発エンジニアが直接やり取り
多重下請け構造では、元請けと現場エンジニアの間に複数の会社が介在することでコミュニケーションロスが生じがちです。
各請負企業がマージンを取るためコスト構造も非効率になり、末端のエンジニアほど低単価・長時間労働になりやすいという問題もあります。
レブクリエイトは多重下請け構造ではなく、94%を自社内で開発しています。
担当ディレクターと開発エンジニアが直接コミュニケーションを取るため、業務理解が開発者にダイレクトに伝わり、認識齟齬が少なくなります。
6割超が6年以上継続取引は長期パートナーとして信頼されている証
単発案件だけでなく顧客と長年の取引継続がある会社は、技術力と顧客対応力の両面で評価できます。
レブクリエイトは累計300件以上の開発実績を持ち、製造業・物流・自治体・医療等、多様な業種での経験があります。
6割超の顧客と6年以上継続取引を続けているのは、単発ではなく長期パートナーとして信頼されている証です。
中部国際空港社、ガッツレンタカー社などの事例で、顧客の課題を深く理解し、実務に即したシステムを形にしてきました。
まとめ:業者選びは「会社選び」ではなく「人選び」
この記事では、システム開発業者の選び方を解説しました。
- 業者タイプ・費用・実績・保守の基本を押さえて比較の土台をつくる
- 「大手だから安心」ではなく、誰がどう進めるかで判断する
- 業者選びで最も重要なのは「ディレクション力」
- 初回商談で「深掘りしてくれるか」「代替案を出せるか」「正直に言えるか」を見極める
結局、業者選びは「会社選び」ではなく「人選び」です。大手でも担当者が業務を理解していなければ失敗しますし、中堅・中小でも優秀なディレクターがいれば期待以上の成果が出ます。
システム開発の外注で要件定義に失敗しないために|業務イメージを“要件”に変える進め方
システム開発の外注を検討していて、業務改善のイメージはあるのに、「そのイメージを、ITベンダーに伝わる言葉に変換できない」――。 「要件定義は発注側が準備するもの」と聞いたけれど、何から手をつければいいのかわからない。 そんな不安を抱えていませんか。 テンプレートを探してみても、項目が専門的す
まずは初回商談で、担当予定のディレクターと直接対話してみてください。
「どの業者に頼めばいいか分からない」「過去に失敗した経験がある」——そんな方は、レブクリエイトのディレクターと話してみませんか。